神の力で土地を強奪できる恐ろしさ.

今朝の「世の光」ラジオは,イスラエルの民が430年後にようやく自分たちの故郷=約束の地=カナンに戻り,当時そこに住んでいた他民族を追い出してその土地を手に入れたのは,神の力によるのだと説く内容.

「主は彼らをイスラエルの手に渡された」(旧約聖書ヨシュア記」11:8か)を引用し,「本来強情に土地に居座り続ける住民たちを動かしたのは神ですし,その勝ち目のない戦争に勝ち目を与えてくださったのも神であるということです.彼らは自分たちの力で「約束の地」を占領したのではありません.イスラエルの民がかつて神の力強い御手によってエジプトの奴隷状態から解放されたように,今度は神の力強い御手によってカナンの地に住まわせていただけるようになったというわけです.全て神の御手によって私たちの人生は組み立てられているのですから,私たちを神を恐れなくてはなりません.」と語る.

そういうことであればイスラエルの民ではない私としては,悪い意味で「恐れる」.

もちろん,とある時代の旧約聖書の読者であったイスラエルの民がそのように解釈したという意味において,当該箇所は上記のように読むしかない.しかし,それをそのまま注釈なしに現代の極東の日本で説いてはいけない.何らかの注釈が要るだろう.

一方的に他民族を「強情に」居座ると表現し,その強情さを戦争の原因だと語るのは,その他民族に対して配慮に欠ける.