高校生と再会.
「最近,労働問題のニュースが多いんですけど,どうしてなんですかね.」
「2つあるんじゃないかなと思うよ.」
「何ですか.」
「ひとつは,確かにキミの言うとおり社会の関心が高まっているということもあるだろう.もうひとつは,キミがそういうことに興味関心を抱くようになったということだろう.」
「確かにそうですね.そういう経験をしたから.」
「人は誰しも自分の経験からしか語れないからね.」
それらしい講釈を垂れて煙に巻いた後,彼を献身的にサポートしていた大人に引き渡す.
「あれ以来会ってなかったんだろ.」
「はい.久しぶりです.」
「挨拶しとけよ.」
「はい.」
「ちゃんとけじめを付けろよ.で,早く帰れよ.」
嫌な大人になったもんだ自分.